仲値、ゴトー日
最近、仲値やゴトー日といった言葉をよく耳にします。
色々検証したいのですが、とりあえず手持ちのEAリストにある梓弓_USDJPYについて検証してみたいと思います。
仲値トレード
仲値についての詳しい説明は省きますが、簡単に言うと日本の大きな輸入企業が有利に両替するために日本時間09:55にかけて円安ドル高になることがあるというアノマリーです。
ゴトー日(カレンダーの5や0がつく日)では、必ずしもそうなる訳ではないですがそういう傾向が見られやすいです。
コレを利用した手法を仲値トレードといい、トレーダーの間ではよく耳にする話です。
梓弓ドル円の買い設定
私も以前使っていた梓弓_USDJPYというEAは売りと買いの2ロジックを搭載しているEAです。
その買いロジックの内容はと言うと
- ゴトー日(休日の場合は前営業日)の
- 日本時間の朝の決まった時間にドル円買い
- 日本時間の朝の決まった時間に決済
これだけです。
テクニカルの類は一切使っておらず、これだけを機械的に延々とやり続ける仕組みです。
簡単ですね。
(売りロジックも同じ感じですが、今回その話は省きます)
仕組みが分かれば手動でもトレード出来そうですが、EAに任せるとほったらかしでトレードしてくれるので楽ちんです。
その梓弓ドル円の買いトレードってどうなのか、今回は検証してみたいと思います。
梓弓は売りトレードも同じEAで行うのですが、買いのみの設定はEA上で出来ます。
梓弓ドル円、買いトレードの検証
そんな単純な仕組みで勝てるのか?
いつものように直近10年間をバックテストしてQuantAnalyzerにかけてみました。
<検証環境>
ヒストリカルデータ : デューカスコピー
バックテスト期間 : 2009/12/21~2019/12/21
ロット数 : 0.1
スプレッド : 変動
Tick Data Suite 使用
profit($) | 795.74 |
トレード数 | 837 |
年間平均トレード数 |
83 |
年間期待収支($) | 79.63 |
Payout Ratio |
1.1 |
PF | 1.44 |
DD $ | 97.35 |
DD % | 0.94% |
Ret/DD | 8.17 |
そんな単純な仕組みで、、、
と思いきや、直近10年は全ての年で勝っています。
眼を見張るような利益率!というわけではないですが、すごいなぁと素直に思いました。
(平均勝ち額)/(平均負け額)で計算されるPayout Ratio(リスクリワードレシオ)は1.1とバランスも良いです。
1.0以上ということは平均勝ち額の方が上回っていて、いわゆるコツコツドカンではないということです。
それで勝率56.63%なので勝ったり負けたりしながら微妙に上がっていくイメージでしょうか。
テクニカルではなく時間決済なのでリアル運用とバックテストとの乖離も少なそうなのもグッドです。
そしてちょっと目に入ったのは曜日別の利益。
金曜日のゴトー日というのは確かに体感でも効いている気がしたのですが、統計的にも利益が上がっているようです。
そしてバックテストを見る限りでは、月火という週の始めはあまり良くなさそう。
月火を省くとどうなるか
試しにバックテストの結果から月火を省いて見ました。
こういう時に便利なQuantAnalyzer。
このバックテストで、もしもこういう条件なら~という分析が簡単にできます。
QuantAnalyzerで左の”What if analysis”という欄を選んで
”Monday”と”Tuesday”のチェックを外し、”Create What if alternative”ボタンを押すだけ。
今回は使用しませんが、曜日だけでなくて日付や月の選択もできてメチャクチャ便利です!
単純に月火のトレードを引き算しただけですが、その結果はというと↓
水木金 | 全曜日 | |
profit($) | 786.68 | 795.74 |
トレード数 | 584 | 837 |
年間平均トレード数 | 58 | 83 |
年間期待収支($) | 78.72 | 79.63 |
Payout Ratio | 1.14 | 1.1 |
PF | 1.65 | 1.44 |
DD $ | 77.21 | 97.35 |
DD % | 0.74% | 0.94 |
Ret/DD | 10.19 | 8.17 |
最大負けトレード($) | -53.97 | -53.97 |
最大DDが減り、損益曲線がキレイになりました。
PFが向上していますがトレード回数が関係することもあり、それが減っているので単純に比較は出来ないのかもしれません。
月火もマイナスになっているわけでは無いので、一長一短あると思います。
検証まとめ
こんなにも単純なルールで利益が上がるというのは驚きですね。
ちなみに、この梓弓ドル円のリリース日は2年半前の 2017/04/12 となっており、そこから今回バックテストを取った2019/12/21までを抜き出してみても
ご覧の通り、キレイな右肩上がりでリリース後のフォワードもこのロジックは通用しているように見えます。
しかし未来はどうなるのか分からないので、”いつも”、”いつまでも”通用するとは限らないと考えられ、その点には注意です。
日本企業にとって仲値というものは重要なもののようで、この仕組みというのはFXトレーダーにとっても関わり合いの深いものと言えそうです。
ロンドン時間にもこういう仕組みがあるのですが、それはまた次の機会ということにします。
今回は私の手持ちのEA、梓弓ドル円での検証でしたが、仲値&ゴトー日トレードというのは日々研究が進んでおり、新しいEAが次々と生まれているようです。
テクニカルだけではなく、実需といった面から優位性を見出すEAも非常に面白いですね。
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