Genuine
InstaFXシリーズやBurning_Waterの開発者であるAlexaさんの新作EA、 Genuine のレビューです。
まずはどんなEAなのか軽くご紹介。
・リリース日:2020/03/03
・開発者:Alexa さん
・対応通貨ペア:EUR/USD
・使用時間足:5分足
・最大ポジション数:2 (2ロジックが独立してエントリー)
・TP87、SL62pips (複数の決済ロジック有り)
・2020/03/27現在、利用者数:103名
ユーロドルのスキャルピングEAなのですが、最大の特徴と言うのは
・日本時間の9時~17時にのみエントリーする
という点です。
東京時間のみのエントリーということで、どのようなメリットが有るかと言うと
・月曜に窓開けがあった場合でも影響しにくい。
・日本時間の夜に集中しがちな大型指標の影響を受けない。
・海外大口勢が比較的少ないためヘッジファンドなどの影響を受けにくい。
Alexaさん記述の文章を引用させていただきました。
なるほど、急変動が起きやすい時間を避けて、緩やかな動きを狙い撃ちするようなイメージでしょうか。
もう一つ気になるアピールポイントとして
≫ 新タイプのウォークフォワードを導入し可能な限り過剰最適化を排除しました
とあります。
これはちょっと気になりますね~。
EAというとどうしても過剰最適化(カーブフィッティング)というのは気になると思います。
過去の相場データで利益が出るロジックでも、これから先の未来はどうなるのか、また別の話になってくるということですね。
ウォークフォワードは過去の相場ではなく現在の相場ではどうなのか確認していくテストですが、Alexaさんの新タイプのウォークフォワードを導入というのは興味深いです。
東京時間のみ、新ウォークフォワード導入。
気になりますね。
どのような感じのEAなのか、バックテストの結果から見ていくことにしましょう。
バックテスト結果をQAにかけてみる
いつものようにバックテストの結果をQuantAnalyzerにかけてみました。
尚、バックテスト環境等により多少結果が異なる場合がある事をご了承ください。
<検証環境>
ヒストリカルデータ : デューカスコピー
バックテスト期間 : 2010/03/21~2020/03/21
ロット数 : 0.1
スプレッド : 変動
Tick Data Suite 使用
主な分析
profit($) | 5,134.64 |
トレード数 | 2,746 |
年間平均トレード数 |
274 |
年間期待収支($) | 513.39 |
リスクリワードレシオ |
0.22 |
PF | 1.49 |
DD $ | 333.20 |
DD % | 2.74% |
Ret/DD | 15.41 |
ふむふむ、特筆すべきはDDの低さでしょうか。
ロット0.1で最大DDが$333というのはいい感じだと思います。
最大DDが浅いということでロット数を大きくしやすそうですが、例えば40-60pipsの連敗というのも見られるのでその点には気をつけましょう。
最大DDが低いということで、リターン/DDの値も15.41と好結果。
凹んでもスピーディーにリカバリーしてくれそうですよ。
あとはトレード数。
東京時間のみのトレードにも関わらず、年間トレード数274というのはかなり多いですねぇ。
1日に何度もトレードする日もあるようで、細かく利確を繰り返すようです。
その一方で、細かく利確ということでリスクリワードレシオ(平均利益/平均損失)は0.22。
少し低いのかもしれませんが、87.36%の高勝率で補っているようです。
これまでをざっと見たトコロ、少し薄めの利益を高頻度高勝率で取っていくイメージでしょうか。
ということは、スプレッドが狭いブローカーがオススメになりそうです。
(勿論いつもそうなのですが、高頻度スキャルピングEAは狭スプが良いという傾向が特に強くなります)
月別の収支
最大の連続負けは3ヶ月連続が2回。
年間収支で見ると全ての年でプラスになっています。
昨年2019年は12ヶ月中10勝2敗で勝ち越し、というか全ての年で勝ち越しですね。
損益グラフ
かなりキレイに右肩上がり。
所々で勝ったり負けたりのヨコヨコが繰り返されますが、すぐに最高利益更新しているところが力強いですね。
最大DDは2013年に記録、最大停滞期は2016年に162日。
2017年~現在までは最大DD$150程度に収まっているようです。
細かい分析
まずは右下のエントリー時間を確認してみると、東京時間のみのエントリーということが分かります。
スプレッドが広がったり何かと不安定なMT4時間0時台のエントリーはありません。
左下は年別の収支グラフ。
2013年が少し低いようですが、全体的に見て特出した年もなく、安定したいい感じではないでしょうか。
下列の右から2番目、月別収支。
8月は夏枯れ相場のせいですかねぇ、あまり利益が上がっていないようです。
3月も不得意のようですが、その他の月は安定して利益を得ているようです。
Genuineレビューまとめ
バックテストから見た感じ、少し薄めの利益を高頻度高勝率で取っていくイメージで良さそうです。
他のEAでも良くあることですが高勝率EAの場合、連敗が続いた時にどうするのかですよね。
短期的に見ると勝率87.36%を割る期間は多く出てくると思うので、その時にどう対処していくのかは個人の判断に寄ると思います。
そして、動きが少ない東京時間のみのエントリーということでリスクは抑えられている印象を受けました。
ローリスク・ミドルリターンという感じになるのでしょうか、この辺りは運用しながら見ていきたいと思います。
まだウチでも導入してから日が浅く、エントリーをあまり見ていないということもあり、バックテストからQAといういつもの流れでのレビューとなりました。
今日(2020/03/27)何度かエントリーしているのを見ましたが、長期順張り短期逆張りのエントリーを細かく取って同じ方向に再エントリーという感じを繰り返していました。
それまでは8営業日全く動かずという日が続いてましたので、合わない日は入らない、入りだすと立て続けに入る、のかもしれません。
先週3/16に一度大きな損切りがあったのですが、ちょっとその時にはエントリー見れず。
今日1回損切りを見ましたがそれを見るに、恐らく逆張りが戻らなくて突き抜けていく感じで負けるのでは無いかと思います。
まだよく見れていないので、これからもトレードの様子を見て行きたいと思います。
しかし、EAによる自動売買なので、見る必要は特にないです。
EAがどんなトレードしているのか見るのは私の趣味です笑
そして、AlexaさんのEAの全てに言えることですが、設置するだけで難しい設定の必要が無いというのは素晴らしいですね。
もっと細かく設定したい!というEAに慣れた方には物足りないのかもしれませんが、設置するだけでOKというのは有り難いものです。
また、年末年始の流動性が少なくリスクが高まる時期にはトレードをしない、といった安心機能も自動的についてますので、そういった点でもEA初心者の方々に優しいEAです。
口座破綻の可能性が高いマーチン・ナンピン・グリッドは一切しないEAなので、この点でもオススメしやすいEAですね。
東京時間のみエントリーと時間を絞ったEA、Genuine。
まだリリースしたてなのでその実力は未知数です。
しかも、現在はコロナショックとも言える異常な相場が続いていますので、本来の実力を発揮できるのかどうかも分かりません。
しかし、私個人的にはコンセプトは非常に面白いと感じているので、これからもトレードの様子を見ていきたいと思います。
期待しています。